祈りのコンサートを開催しました。

2024年4月1日

可児市文化創造センター館長 篭橋義朗

 今年の元旦、いつも通りお屠蘇をいただき、近所の神社で初詣をし、午後からゆったりまったりとテレビを見ていた夕方、突然、携帯電話の聞きなれないアラームが鳴り響きました。「これが地震速報の音か」とはじめての体験をしたその直後にガタガタと揺れ始めました。いつも通り、すぐに止まるだろうと思っていましたが、その後にそれよりも大きい揺れが始まりました。テレビの前にいたので、転倒防止をしていないテレビが倒れてはいけないと、思わず両手で支えていました。


 アーラでは東日本大震災復興支援として毎年3月に「祈りのコンサート」を開催しています。震災により亡くなられた方々に対する鎮魂と被災者支援や復興を祈り、忘れないことを誓うものです。この国ではその後も熊本地震や多くの風水害などの自然災害が発生してきました。そして今年の能登半島地震です。繰り返される災禍にあっても私たちはこの国の国土の美しさを知っています。一日も早い復旧・復興を祈らずにはいられません。特に今回の能登半島や金沢市はアーラとはなじみ深い地域です。七尾市には「能登演劇堂」があり、アーラコレクションシリーズの作品を何度か上演させていただいたご縁があります。ともに地域での演劇の振興を期するところでもあります。また市内小学校でのワークショップやアーラで実施している乳幼児・高齢者ワークショップの講師をお願いしている「劇・あそび・表現活動 Ten seeds(テン シーズ)」は金沢市を拠点に活動されており、この度、能登演劇堂と「Ten seeds」が力を合わせて能登の子どもたちの笑顔のために協働するという心強い知らせがありました。アーラもこの活動を支援すべく、この「祈りのコンサート」の収益の一部を寄託しました。今までもそうでしたが、これからも連携していきたいと思っています。

 起こってしまった災害に対して、その後の復旧・復興には長い時間が必要となります。そしてその活動をする人々の心の元気を支える環境が必要です。私たちは「祈りのコンサート」を開催することで、忘れがちになる災害のことを忘れないようにしたいと思います。それは今回の能登半島地震に対することだけではなく、それが可児での防災活動であり、私たちの心の健全さを保つことにつながります