ala Collection シリーズVol.10 坂の上の家

作/松田正隆 演出/高橋正徳

失くした先に あたらしい人生がある
家族の絆と人と人の縁を描く 静かな傑作

その家には、若い三兄妹が暮らしている。
1982年7月23日、長崎大水害。多くの犠牲者を出したこの災害で両親を亡くした時、
遺された彼らはまだ幼く、父と母を失った家で助け合って育ってきた。

あれから五年―。
社会人になった長兄、予備校生の次兄、高校生の妹の三人は、今も坂の上の家で一緒に暮らしている。
夏の初め、長兄が恋人を連れてくることになった。
もうじき、またあの日が、両親の命日が巡ってくる…。

日常の活き活きとした情景の中に、家族の関わりや愛情、人と人の絆や葛藤を丁寧に描き、OMS戯曲賞・大賞を受賞した松田正隆の傑作戯曲。
人は人と関わり合うことで、喪失の向こうの再生を手にしてゆく。
生きてゆく手がかりを伝える温かな作品に、実力派のキャスト、スタッフが取り組みます。

髙瀬久男氏に捧ぐ

演出家・髙瀬久男氏は2015年に57歳で逝去されました。
松田正隆氏の戯曲を数多く演出した、生前の功績を称え本作品を髙瀬氏に捧げます。

ala Collection シリーズとは

新作主義の日本の演劇界に対して、消費されゆく過去の優れた戯曲に焦点を当て、リメイクして作品を再評価するプロジェクトです。また、アーチスト・イン・レジデンスを基軸として、第一線で活躍するキャスト・スタッフが可児市に滞在しながら作品を制作し、可児市から全国に発信する質の高い作品づくりを目指しています。