作品紹介

ala Collection シリーズとは?

アーラの充実した施設群を活用し、キャスト・スタッフが1ヶ月間可児に滞在し演劇製作!
新作主義の日本の演劇界として消費され続ける戯曲に対し、あえて過去の優れた戯曲に焦点を当て、リメイクして作品を再評価するプロジェクトです。また、アーチスト・イン・レジデンスを基軸として、第一線で活躍する俳優・スタッフが可児市に滞在しながら作品を制作し、可児市から全国に発信する質の高い作品づくりを目指しています。
vol.4では主演の平幹二朗氏がvol.4『エレジー』での演劇が評価され、「平成23年度(第66回)文化庁芸術祭」の演劇部門で「芸術祭優秀賞」そして「読売演劇大賞 優秀男優賞」を受賞しました。
このシリーズは、可児市で稽古を重ねた後、当地での一週間公演、東京吉祥寺シアターでの一週間公演、その後に全国公演へと、可児市から全国へ演劇を発信し、一極集中の日本の演劇界に対して、新しい演劇の波を地方から起こしていくプロジェクトです。

マキノノゾミの最高傑作 初めて自身による演出で上演!

5作品目となる「高き彼物」は、静岡県の田舎町で起こった小さな事件をめぐって、信念をもって真っ直ぐに生きる元教師とその周囲の人々を丁寧に愛情こめて描いたマキノノゾミの最高傑作です。出演はかつて、つかこうへい事務所の舞台で活躍し、「世界の車窓から」のナレーションでもお馴染み石丸謙二郎、NHK連続小説「あぐり」鮮烈デビューをして現在も大活躍の田中美里、それに現代演劇に欠かせない名脇役の品川徹など。笑って、泣けるマキノ作品の真髄が盛り込まれた舞台を、実力派のキャストでお届けします。

あらすじ

昭和53年の春、受験生の藤井秀一( 藤村直樹 )は二人乗りしていたバイクで転倒し、その事故で同乗していた友人を失ってしまった。夏休みの始まったある日、彼は事故の時の恩人である猪原正義(石丸謙二郎)の家を訪れる。元高校教師だったという正義は、失意の秀一にとってはまるで一個の理想の教師であるかのように思われた。彼は秀一に酒の飲み方を教え、勉強の仕方を教え、秀一とともに友人の死を全身全霊で悼んでくれた。やがて猪原家の滞在客となった秀一は、自分を励まし続けるこの正義という不思議に熱っぽい人物にぐんぐん傾倒してゆく。一週間が過ぎた日、秀一は思いもよらなかった正義の真の姿を知ることとなる……。
 SLの汽笛が聞こえる静岡県川根町の雑貨屋「猪原商店」を舞台に、二人の関係と、それを取り巻く人々の人間模様が二転、三転する--------------------昭和53年の、夏休みの物語。

相関図