学校に行きたくても行けない子ども達のための
スマイリング ワークショップ 2020

新井 感染状況の推移を見ると、これまで通り対面でのワークショップがすぐに出来るようになるのは難しいかも。対面とオンラインでも可能なワークショップ、複数の手段を臨機応変に選んでいくのが今は現実的なのではないかと思います。オンラインは体温の感じられないコミュニケーションだと否定的に考えるのではなくて、何かを発信するためには、必ず人と関わらなくてはならないわけだから、いろんな関わりを広げるツールとして活用できれば良い。原稿が書ける子はライター役を、カメラに映ってもいい子はナレーター役を、撮影する事も参加だからカメラマン役を、とか役割分担して動画作って発信するのもいい。オンライン・リモートの強みを活かして、海外の人とつながってみたり、他市・他県の同じように不登校児童・生徒さんの教室とつながってみたり…。そんな多様で新たな経験や学びに発展する可能性があるのではないかと思います。

そして対面でワークショップが出来るようになったら、アーラでやっている「親子対象ワークショップ」や「高齢者対象ワークショップ」にスマイリングルームの子ども達に来てもらって、僕たちのアシスタントをしてもらうって事もやってみたい。アーラのワークショップをまたいだ多世代間の交流を設ける。以前、スマイリング ワークショップに高齢者ワークショップ参加者の女性が飛び入りで参加した事があったんですが、これが面白かった。普段あまり参加しにくい子ども達にも、「あなた、やりましょうよ!」って彼女はどんどん子ども達に話しかけて新鮮な関係を作ってくれた。さすが年の功!普段恥ずかしがってやらないだろうなって子も思わぬ積極的な振る舞いを見せてくれました。とてもいいマッチング、家庭や学校以外での多世代間交流、アーラならではの豊かな出会いだったと思います。

- リモートでのワークショップでは、普段は出会えないような人ともつながって一緒にやることも可能だろうし、同じ可児市でも、学校にもスマイリングルームにも通えない子ども達の参加機会ともなり得ると感じます。

成瀬 スマイリングルームに通っている子ども達は、いろんな思いを心の中に抱えていて、自分の事を分かって欲しいと思っていたり、挫折感を持っていたり、疎外感を感じていたりするので、達成感とか必要とされる実感といった子ども達の承認欲求に少しでも応えられるような活動になれば、より効果的なものになるのではないかと思います。

先日のリモート・ワークショップの日の午後に、かつてスマイリングルームに在籍していた子がたまたま訪ねて来てくれていて。高校生になって生徒会にも入って頑張っているって。今日も午前中に今は22才になった子が遊びに来て懐かしそうに話をしていきました。そういう大きくなって活躍しているOB・OGにも何かいいヒントをもらえる、仲間に入ってもらう事もできたらなと思っているところです。

よりもスマイリングルームの先生方の子ども達に対する真摯な姿、その普段があってこそより効果的な活動ができると思っています。居心地の良い空間を先生たちが作っているからこそ、卒業した子ども達も高校生になっても社会人になってもスマイリングルームに顔を出してくれる。これからも知恵を出し合いながら展開していけたらと思っています。

講師の皆さんは、その時その時の子ども達の気持ちを大事にプログラムを組まれていると毎回感じます。周りから認めてもらえないと感じていた子も、ワークショップの中で親和性があると急にその個性が輝き出す瞬間があったり、表情が変わったりします。その時にこのワークショップの価値を感じる事があります。これからもどうぞより良いパートナー関係で引き続き宜しくお願いします。


新井英夫 あらいひでお (体奏家・ダンスアーティスト)
野口体操を学び、「力を抜く、お手本は自然界」という自然哲学に深い影響を受ける。1996年にDANCE-LABO KARADAKARAを創立、主宰。公演活動の両輪として、障がいのある方、乳幼児から高齢者まで幅広い方を対象に「からだからダンスを発見する」ワークショップを展開中。
国立音楽大学、立教大学非常勤講師。


Ten seeds テン・シーズ(劇・あそび・表現活動)
演劇をベースとして乳幼児から高齢者、障がいのある方と共に創るプログラムを各地で展開している。演劇の可能性を信じ、町や人が元気になるための舞台づくりも行っている。代表の黒田百合は、アーラの市民ミュージカル 『君といた夏』 の演出を務めている。石川県七尾東雲高校演劇科非常勤講師。日本演出家協会会員。

<ala TIMES 10月号(9/1発行号)巻頭特集に抜粋版を掲載>

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