多文化共生プロジェクト 2019「にぎやかなお葬式」

様々な異なる言葉や文化を持った人々が1つの舞台作品を作るプロジェクト。

作・演出には、昨年に引き続き 鹿目由紀さんをお迎えし、ブラジル・フィリピン・ペルー・日本と4か国の参加者24名で『にぎやかなお葬式』を上演しました。
家族や友人に愛され天寿を全うした96歳の主人公エリオのお葬式に参列する人々。国により葬儀の仕方が異なるため、衝突が生じてしまう。

参列者の一人が言う。
 「エリオじいじはこんなこと望んでいない!」
参列者たちは気づかされる。
弔いたい気持ちは同じはずなのに…ルールやしきたりを慮るあまり、大切なことを忘れていたと…。

物語の中で、少女が生きづらさを語ったことをきっかけに、参列者それぞれが抱える“悩み”が吐露されていきます。このシーンはドキュメンタリー演劇の手法を取り入れ、10代の参加者の声を反映したものになっています。

日本にきて2年。一生懸命勉強して高校は一般クラスに入ることができた。クラスが離れたことで仲がよかった同じ国の子達が自分をのけ者にした。自分の努力や存在を否定したときもあったが、今は自分の夢に向けポジティブに歩みだした Mさん。

学校でのいじめから自己否定する日々だったが、セラピストの「君は井戸の底にいるとしよう。目はどこを向く?上を向くよね。」という言葉をきっかけに井戸から抜け出すことができたVさん。

物語同様、実生活でも2人は将来の夢を叶えるべく今は前を向いて歩んでいます。この作品を通して、Mさんは日本語にも自信を持てるようになり、将来の夢も思い出すことができ、Vさんは次のステップに進むため、今回でこのプロジェクトを卒業するとのこと。物語の最後に登場する、彼が描いた大きな絵は私たちへのプレゼントのように思えました。


Vさんの「エリオさんへの感謝の絵」

『にぎやかなお葬式』はすべての国の文化を融合し、ペルーで行われるという、棺を持って踊るシーンで幕を閉じる。

最後にエリオは言う。 「最高のお葬式だったよ、みんなありがとう。」

稽古場は、それぞれの文化を聞きあったり、お互いのパーソナルの部分を共有したりと、いつも“にぎやか”な会話であふれていました。ある日本人の参加者の言葉を思い出します。
「怖いと思っていたけど、本当は優しいのね。」
他者や異文化を受け入れ、双方の価値観を広げることで生まれる新しい文化にこそ、私たちが進むべき未来があるのではないでしょうか。

最後に、出演者、サポーター、スタッフ、そして『にぎやかなお葬式』にご参列いただいたお客様に深く感謝いたします。

 

日 程 インタビュー・稽古 6/29~9/21(14回)
公 演 9/22(計2回)
会 場 ala 演劇ロフト
集客数 126人
出演者  24人
(ブラジル6人、フィリピン3人、ペルー1人、日本14人)
サポーター 4人(ブラジル1人、日本3人)
スタッフ 作・演出:鹿目由紀、演出助手:カズ祥
協 力 多文化共生センター  フレビア

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