就学前の子どもたちの非認知能力を育むワークショップ
わくどきぐんぐん

2022年07月01日

可児市には県下最大の工業団地が立地しており、人口約10万人のうち外国籍の市民が約7.9%を占めています。言語や文化の違いや両親の就労の事情もあり、子どもたちの成長プロセスにおいて親たちが地域コミュニティとの接点を作り出すことが難しい状況もあることから、保育の時間を通じて、できるだけ早い時期から子どもたちに文化や芸術との出会いを提供できるよう、キックオフとなる2021年度は、可児市内今渡にある認可外保育園「ハンドスオブガッド」に通うフィリピンやブラジルからやってきた外国籍の子どもたちを対象にワークショップを年4回に渡って継続的に実施しました。

今回は、2組の講師にファシリテーションを依頼し、絵本の世界や演劇表現の持つ物語性を活かして、子どもたちと大人たちが協力しながら、オリジナルな物語を紡いでいく「楽しさ」や「達成感」、ダンスやコミュニケーションゲームなどを通じて動きをシンクロさせながら、お互いの「信頼感」や一人一人の「自己肯定感」を高めていくことを目指して、子どもたちが主体的に動けるプログラムを進めてきました。

アーラのロフト空間は、彼らの通う保育園の教室よりもずっと広く、時に舞台の照明効果や吊物効果を使用したり、自分たちの身近にあるたくさんの段ボールや手作りの小道具なども使いながら、劇場ならではの創意工夫に満ちた体験が可能なことや、室内空間を一歩外に飛び出すと「水と緑の広場」が広がり、鑑賞のために訪れるのではなくても「アーラ」という場所が可児市に住む全ての子どもたちに開かれていることを体感してもらえる機会になりました。

3月26日には2階にあるレセプションホールにて「卒園式」が行われました。4月からいよいよ小学生になる子どもたちのちょっぴりお兄さんお姉さんになった表情が印象的でした。これからもアーラのプログラムにどんどん参加して行ってほしいと願っています。


日 程 2021.8.20、11.5、12.3、2022.1.13
会 場 ala 美術ロフトほか
参加者 延べ92名
講師・アシスタント 絹川友梨(俳優、ワークショップファシリテーター)
          石丸有里子(俳優/劇団鳥獣戯画)
          佐藤律子(NPO法人あそび環境Museumアフタフ・バーバン)
          清水洋幸(一般社団法人あそび心BASEアフタフ・バーバン信州)
          ユニコ(俳優・ダンサー/劇団鳥獣戯画)
          山田久子(多文化演劇ユニットMICHI)
協 力 ハンドスオブガッド保育園