アーラ紙芝居一座

2020年12月27日

地域の演劇好きが集まり、演劇的要素を取り入れたオリジナル紙芝居を創作し、可児市近隣の施設を巡演公演しています。今年度はコロナ禍のため、オンライン紙芝居を創作しました。

『うさきちとカメ太とカメ次郎』

コロナ禍だからできたオンライン紙芝居

2015年より芝居好きの有志が集まり、地域の児童センターや子ども食堂などで公演活動をしているアーラ紙芝居一座。2020年3月にこれまでの活動の集大成として紙芝居フェスティバルを企画していましたが、コロナ感染症対策の影響でやむなく中止となってしまい、メンバー一同大変悔しい思いをしていました。さらに追い打ちをかけるように政府の緊急事態宣言が発動。今後の活動自体が不透明となる中、4月下旬に数ヶ月ぶりにオンラインでメンバーが集まりました。

自粛期間中は人との接触に怯え、不安や寂しさが募っていたせいか、久しぶりの再会に皆が喜び合ったことを今でも覚えています。また、その会合でコロナ禍における今後の活動について話し合いました。人と繋がることの嬉しさを改めて知ったメンバーたちは、オンラインで活動を継続していくことに歓びと希望を見出していました。幸い紙芝居は絵とセリフで表現するため、オンラインでの稽古が可能です。

そこで、オリジナルの紙芝居動画をオンラインで創作することにしました。作品は誰もが知っている「うさぎとかめ」を原作にうさぎとかめのその後のストーリーも描いた『うさきちとカメ太とカメ次郎』というオリジナル作品です。最初は慣れないオンライン稽古で、途中で電波が切れてしまったり、音声が途切れてしまったりと、四苦八苦していましたが、それも徐々に慣れてゆき、それぞれ役に合わせて声色を変えたりと、時間を掛けながら丁寧に魅力あるキャラクターを作り上げていきました。紙芝居のイラストも絵の得意なメンバーが描いたオリジナル・イラストです。通常の紙芝居は30枚程度のイラストですが、オンラインでは画面の切り替えが容易にできるため、台詞ごとに絵を変えたりするなど、約100枚ものイラストで登場人物の心情を細かく描写していきました。さらに編集段階で効果音や音楽など臨場感を高める演出を加え、いよいよ動画の完成です。その創作期間は約1年。3月14日に出演者とそのお知り合いなどに声掛けして、試写会を行いました。上映が終わると、「すごく良かった!」「こんなに面白くなるとは思わなかった!」「見に来たお友だちも楽しんでくれた!」など、たくさんの嬉しい声をいただきました。動画はアーラのYouTubeチャンネルにアップし、誰でも手軽にご覧いただけるので、今後の活動のPRにも役立てていけます。

コロナ禍だったからこそ、オンライン紙芝居にチャレンジし、紙芝居一座の新たな活動の場を広げる機会になったことは言うまでもありません。オンラインでつながれる。オンラインでも創作活動ができる。誰かとつながりたい、誰かに作品を届けたい。そんな紙芝居メンバーの純粋な思いが今回の成功を導いたんだと思います。

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創作日程 4/25 ~ 12/27 (計17回)
公演日 試写会 3/14(計2回)
公演会場 映像シアター
集客数 17人
声の出演者 12人