新日本フィルハーモニー交響楽団 
お出かけコンサート 2019 <学校編>

2019年06月21日

新日本フィルメンバーが地域に出向き、クラシック音楽を身近に楽しんでもらうコンサートを開催。楽器の体験やコラボ演奏も。

コミュニケーションを軸にし、子ども達の多角的な視点を育む

単に音楽を鑑賞し、クラシックファンを育成する出張コンサートではなく、「音楽を体験すること」を通して、子ども達に多角的な視点、可能性を見出すことを目的とし、コミュニケーションを主軸にしたプログラムを実施しました。

広見小学校

楽器の解説では、「ドラえもん」のしずかちゃんがヴァイオリンを弾いているところを真似したり、「弓の手元の部分にクジラの髭が使われているのは知ってる?」、「音楽室の壁に貼ってあるおなじみの作曲家の写真、実はこんな人なんです!」と楽しく解説。

指で弦を弾くピッツィカート奏法が、児童の好奇心をそそる「プリンク・プレンク・プランク」。すごーく小さな音が聴こえると思ったら、楽器のボディをこすって大きな音が!メンバーの巧みな技術で音の強弱をつけると、児童たちから笑いが起きていました。

ヴァイオリン3台とチェロ1台を児童用に用意。実際に自分で音を鳴らしてみることで、楽器の構造、音の出るメカニズム、きれいな音色を出すのがいかに難しいかなどを体感し学びました。

スタジオジブリ作品の中には、新日本フィルが音楽を担当しているものがいくつもあり、「ハウルの動く城」を演奏する際には、そのエピソードを交えながら演奏。児童たちは、MC中は色んな事に興味津々で盛り上がりますが、演奏中はじっと静かに聴き入っていました。NHK2020応援ソングの「パプリカ」では、自由に踊ったり歌ったりしていました。

最後に子ども達が授業で習っている「いつでもあの海は」の合唱をしました。あるクラスの担任の先生は、自前のトランペットを持って登場し、子供たちも初めて見る先生の演奏に大喜び!一緒にセッションをしながら音楽のコミュニケーションが生まれていました。「楽団員の皆さんと一緒に演奏できるなんてとっても嬉しかったです。」とピアノで伴奏した児童が感想に書いてくれていました。

児童の感想
・演奏がとてもきれいだったし、一緒に歌ったり手を叩いたりできてうれしかったです。やさしく教えてくださったり、おもしろいことを話してくださり「もっと来て欲しい」と思いました。
・クラシックしかやらないと思っていたけどアニメや映画の曲もやっているのがおどろきました。楽器があまり好きではなかったけど、楽しく弾けば変な音色も出て楽しいと分かりました。一つの楽器に一つの弾き方しかないと思っていたけど、工夫すれば色んな弾き方ができるのが楽器の魅力だなと思いました。

可茂特別支援学校

可茂特別支援学校では、小学校よりも、一緒に歌い・手拍子をし・踊ることに重点をおいたプログラム。思い思いに楽しんでいただき、終盤は熱狂ともいえる盛り上がりをみせました。帰り際には別れを惜しみ、下駄箱までお見送りに来てくれる子もいました。

子ども達が生演奏に触れる機会は、それぞれの家庭環境に左右されてしまいます。今後もこうしたアウトリーチ活動で、演奏者が教育現場に訪問することで、ダイレクトに子ども達に音楽に触れる機会を提供していきたいと思います。

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日 程 6/14・6/19・6/21
会 場 可茂特別支援学校、広見小学校
出 演
弦楽五重奏
ヴァイオリン:ビルマン聡平、田村直貴  ヴィオラ:高橋正人
チェロ:多田麗王  コントラバス:藤井将矢
弦楽四重奏
ヴァイオリン:竹中勇人、澤田和慶
ヴィオラ:高橋正人 チェロ:矢野晶子
参加者 178人(計 5回)