Special インタビュー:新日本フィル 河村幹子・重松希巳江

新日本フィルで新生alaの幕開けをお祝い!リニューアル記念コンサート2021

河村幹子(首席ファゴット奏者)×重松希巳江(首席クラリネット奏者)

2021年、アーラ劇場リニューアルを新日本フィルの華やかなプログラムで祝います。注目は巨匠R.シュトラウスが最後に書いた器楽曲。こちらを演奏する楽団が誇る首席奏者の二人にお話を伺った。

― 2020年はコロナ禍で多くの公演が中止となりました。

【重松】突然生活が変わり動揺しましたが、新日本フィルはトロンボーンの副首席奏者・山口(尚人)くんが引っ張ってくれて、世界に先駆けて〈パプリカ〉を始め様々なテレワークの演奏活動を展開しました。この結束力で、改めてオーケストラへの想いや演奏することの情熱を再確認することが出来たと思います。

【河村】自粛期間中は子どもとずっと家にいて、朝食の後片付けが終わって練習を始めたと思ったらもう、お昼の用意をしなくてはならなかったり、結構たいへんでした(笑)。現在も本番直前での急な曲目変更など、まだ混乱は続いていますが、自分にできることを頑張って、前に進むしかないですね。

― 2月の公演はアーラのリニューアルを記念するコンサートです。

【重松】私は滋賀県大津市出身で、可児に伺う前後に実家に立ち寄ることも多く、また祖父母が犬山出身だったこともあって、いつも近しく懐かしい気持ちで演奏しております。ゲネプロの後でのんびり過ごしたりできる芝生の広場に美味しいカフェ・レストラン、あちこちにお気に入りの空間があるホールと再会できるのが楽しみ。

― 実は今回の大規模改修工事でカフェ・レストランが刷新されて、人気のあったシュークリームなどメニューも新しく変わるそうですよ。

【河村】それはかなり大ショックです! うちの団員にもあのシュークリームのファンは多く、可児に行く楽しみのひとつでしたのに…。朝早くから営業しているカフェ・レストランはとてもありがたい存在で、ホールの最重要施設なのでどう変わったのかとても気になります。

【重松】私もシュークリームが大好きだったので残念です。でも新しい名物に期待したいと思います。朝早くから営業しているカフェ・レストランはとてもありがたい存在で、ホールの最重要施設なのでどう変わったのかとても気になります。

― 公演ではお二人がソリストを務める、R.シュトラウス:クラリネット,ファゴットのための二重小協奏曲 が大きな聴き所になりそうですね。

【河村】最晩年に作曲された作品で、大編成とは違って弦楽合奏やハープとのアンサンブルで味わう、人生を知り尽くした老シュトラウスの渋い魅力が詰まった素敵な曲です。アンデルセンの『豚飼い』という“美女と野獣”にも似たストーリーの童話が題材として盛り込まれているのも面白い。私が吹くファゴットは“野獣”役の方で変装した恋する王子、重松さんのクラリネットは相手役の王女様。ファゴットは第1楽章の出だしから唸るような音でクラリネットを驚かせるのですが、第2楽章では王女様に恋い焦がれる様子が表現されている。第3楽章で二人は仲良くなって最後はハッピーエンドになり、まるで劇音楽を聴いているように情景が思い浮かぶので、きっと初めての方でも楽しめる作品だと思います。

【重松】クラリネットとファゴット、それぞれの楽器の個性がうまく活かされ、登場人物の心情や仕草、笑い声まで聴こえてくるような、描写が細やかな作品です。艶やかで瑞々しい新日本フィル自慢の弦楽合奏と、お伽話の代名詞のようにエレガントなハープの音色もご堪能下さい。

― では首席奏者として、それぞれご自身の楽器がオーケストラで果たす役割などについて教えて下さい。

【河村】ファゴットは他の木管楽器と比べてソロが多いわけではありませんが、人間の声に近い深く落ち着いた響きが特徴。クラリネットやオーボエとは違い、弦楽器などと同じカエデの木で出来ていて、管楽器と弦楽器を結ぶ役割を果たし、ふだんはオーケストラの音色を作っています。

【重松】クラリネット奏者としては、ソロの箇所で作曲家の求める場面やキャラクターを表現できるのも楽しいのですが、他の木管楽器やホルンとハーモニーを作ったり、支えたり包んだりする仕事も好き。名手揃いの新日フィルのファゴット・セクションとの相性もバッチリで、特にベートーベン作品に多いのですが、クラリネットとファゴット4人でまろやかなサウンドが出せたとき、首席奏者の冥利に尽きるなあと思います。

― アーラでのクラシック・コンサートの幕開けとなるので、ニューイヤー・コンサート的な要素も今回の公演のテーマになっていると思います。

【河村】ヨハン・シュトラウスの曲で祝祭的な雰囲気を楽しんで頂けたら嬉しいです。

【重松】ヨハン・シュトラウスの作品はどれもウィーンの薫り高く、華やかで芳醇な響きがするので、いつも演奏しながら“音楽の都”に思いを馳せています。それでいて遊び心に満ちた音楽が作曲家のお人柄を映しているようで楽しいですね。

【河村】何かサプライズもご用意する予定ですのでどうかご期待下さい!

【重松】新しくなったアーラの素晴らしいホールで演奏出来る日を、新日本フィル一同、心待ちにしています!

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