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インタビュー:文学座 & 新日本フィルハーモニー交響楽団

2008年度よりアーラは、日本を代表する「文学座」と「新日本フィルハーモニー交響楽団」の2団体と地域拠点契約を結んでいます。アーラを拠点に公演はもちろん、ワークショップや学校・福祉施設などに出向いた活動を通して私たちの心を揺さぶる瞬間を毎年 届け続けてくれています。現在、コロナ禍の状況で、中止や延期が余儀なくされている中、地域拠点契約を結ぶ両団体からこれまでのアーラとの取り組みについてお話をうかがいました。

新日本フィルからは、定期コンサートはもちろん、「オープン・シアター・コンサート」や、「おでかけコンサート」 にも出演された ビルマン聡平さんです。

 

可児市の皆さん、こんにちは! 3〜6月はコンサートが全てキャンセルになってしまい、日々届く中止や延期の連絡に落胆していた時期もありましたが、家で自分の音と向き合いながら、否応なく襲ってくる 《音楽の価値とその未来》 というテーマを考えさせられた日々は、災禍の中にあってこそまたとない意義のある体験だったと言えるのかもしれません。

ビルマンさんはこれまでに何度も可児市に訪れてらっしゃいますが、心に残っているエピソードはありますか。

我々音楽家は各地への旅が多い割に、駅や空港と劇場を往復するだけで、あまりその地域のことを知らないまま終わっているというのが実情ですが、可児市には何度も行くうちに本当にたくさんの思い出ができました。普段劇場に足を運ぶことが難しい乳幼児や障がいのある方、誰もが楽しめる 「オープン・シアター・コンサート」 には毎年参加させて頂いていますが、昨年のコンサートでのホールいっぱいに響き渡った客席の皆さんの 『パプリカ』 大合唱は今でも耳に残っています。また、小学校での 「おでかけコンサート」 では、演奏を聴いてもらうのはもちろん、子ども達に楽器を実際に弾いてもらったりするのですが、その時の表情が、おもちゃを触る時とは違う神妙そうな嬉しそうな顔になります。休み時間に一緒にドッジボールをする時は、もう大騒ぎですが、そのすぐ後にはまた真剣に音楽に耳を傾けてくれる姿は、音楽を楽しんでいるという確かな手応えとして感じられます。これは我々にとっては大変貴重で音楽家冥利に尽きる時間です。 そして可児市に滞在中、ご飯を食べに行った数々のお店でのエピソードは、語り尽くせないほどあります(笑)。地元の音楽仲間や劇場の企画担当の方々と、どうやったらもっと良い演奏会や企画が出来るか、本気で語り合える時間も他ではそうはありません。

コンサートが無くなってしまった時期に、楽団メンバー同士や、個人で挑戦してみたことについて教えてください。

3月の前半頃までは、コンサートマスターの西江辰郎さんや多治見市出身の首席チェロの長谷川彰子さん等と少人数編成で音楽を作り、インターネットで配信するという活動をしてきましたが、3月中旬頃からは三密禁止でそれも出来ない情勢になってしまいました。それではと自宅に録音できる環境を作ってひたすら一人で自分の音と向き合い、音楽を制作する毎日でした。今となっては、演奏会が出来ないという全く想像もしなかった絶体絶命の事態になった事で、新しい表現の場を日々模索したこと自体に、とても意味があったと感じております。 実際に行動してみると、新日本フィル テレワーク部の 『パプリカ』 の様にうまく結果に結びついて、私たちを知って頂くきっかけとなったものもありました。メンバーそれぞれが家で一人で作った音が重なり合い、完成したものを聴いたときは、そこにある全部が新日本フィルサウンドだ! と、鳥肌が立ちました。普段コンサートには出掛けない友人からも、勇気の出る応援メッセージをたくさん頂いたりと、久しぶりに誰かに向かって音楽を発する喜びを感じる事が出来ました。 どこにどう結び付くか分からないからこそ、いまたくさんの種を蒔いておきたい。この数ヶ月で得た色々な知識やアイデアをコロナ後も無駄にせず、これまで以上にコンサートホールでの生の音の素晴らしさを皆さんに味わって頂けるよう、頑張っていきたいと思っています。

ビルマンさんの前向きな姿勢にこちらも元気がもらえます。 最後に可児市の皆さんにメッセージをお願いします。

少しずつ活動も再開していますが、まだまだ通常には程遠く、不便や不安が付きまとう毎日でもあります。今はお互いに踏ん張ってなんとか持ち堪え、来年の2月には、改修を終えたアーラ主劇場で皆さんと新日本フィルメンバーの笑顔が交差することをとても楽しみにしています。 13年目に突入するアーラと新日本フィルの関係がこれからもずっと続いていく事を、心から願っています。

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文学座からはala Collectionシリーズ『エレジー』、文学座公演『越前竹人形』、そして可児市文芸祭 文芸祭賞朗読会にも出演された 山本郁子さんです。

 

いつも笑顔で迎えてくださる可児市の皆様、いかがお過ごしですか? 世界中が大変な苦難となっていますが、みんなで一緒に乗り越えてゆくしかないですね ! 文学座も4〜5月のアトリエ公演 『熱海殺人事件』、6月の本公演 『昭和虞美人草』 が中止になりました。私はアトリエ公演で稽古を3週間積み重ねた所でストップとなってしまいました。その時は茫然としましたが、前を向いてプラスに考えることにしました。劇場では、お客様が安心して集中して舞台を楽しんでいただきたいので、その日が来るまで、この熱い想いを温めておこうと思います。ご期待ください。

山本さんは可児市にたくさんお越し頂いていますが、思い出や印象に残っていることは。

私が初めてアーラに伺ったのは、2002年のニ兎社公演 『新・明暗』 でした。とても客席が近く観やすく、息遣いまで感じられる、素敵な劇場だなぁと感じたのを覚えています。そして2011年には、平幹二朗さん主演の  ala Collection シリーズ vol.4  『エレジー』 で可児市に1カ月半滞在し稽古をして、舞台を創りました。 毎朝、鳥の声で目覚め、窓を開けると緑と土の匂いがして、一日の始まりを感じ、市民サポーターの皆様に差し入れて頂いた野菜で朝食を作った思い出があります。その後も訪れる度に、故郷に帰ってきたような懐かしい感情が湧き上がります。毎回、市民サポーターの皆様が元気に笑顔で温かく迎えてくださるので、伺うのが楽しみな可児市です。

ステイホーム期間、劇団や山本さんご自身はどんな過ごし方をされていましたか。

劇団では、「BUNGAKUZA at Home」 という新たな取り組みを立ち上げました。 文学座メンバーが、朗読や読み合わせ、トーク、漫才などオンラインで発信しています。公演の時とはひと味違う俳優の姿なども見られますので、どうぞ、お家でも文学座をお楽しみください。 そして私自身は、緩い筋トレとヨガを始めました。いつも長続きしなかったのですが、今回は続いていて少し筋肉がつきました。体力をつけて、免疫力アップしていきたいと思います。

最後に可児市の皆さんへ向けてメッセージをお願いします。

皆様も、不安な日々をお過ごしの事と思いますが、いつか必ずまたお会いして、舞台を心から楽しんで頂けますように願っています。 そして可児市の皆様にまた素敵な笑顔が戻りますように!

 

文学座からは、可児市出身で文学座 準座員の川合耀祐さんにもコメントをいただきました。

文学座研究所の研修生から、今年度、見事に演技部の準座員に昇格されましたね。

非常に狭き門で、しかもアーラと結びつきが強い劇団の準座員に選ばれたことが とても嬉しかったです。公演などでまた地元の演劇に携われる機会があるかもと思うと楽しみでもあります。

今年は誰もが想定外の状況ですが、今だから故郷に伝えたいメッセージをお願いします。

コロナの影響で活動に制約が掛かり大変ではありますが、それでも出来ることはないかと、同期メンバーとアニメーションも取り入れた演劇作品をネット配信したり、 「自分たちの表現で楽しませたい」 というモチベーションで 試行錯誤しています。 僕も挑戦し続けますので、可児市の皆さんも前向きに一緒に乗り越えていきましょう !