第33回 やりがいのある仕事、生きがいとなる仕事― 職員のモチベーションをマネジメントする。

2013年4月7日

ベーション・マネジメントとは、インターナル・マーケティング(組織内部へのマーケティング)の一側面である。アーツマネジメントの三つの役割には、
(1)組織に特有の使命と事業定義を果たさせ、満足させる。
(2)使命と仕事を通して働く人たちを生き生きとさせる。
(3)自らが社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題について事業を通して貢献する。
がある。その(2)の「使命と仕事を通して働く人たちを生き生きとさせる」ことが、組織の活性化を生み、サービスの享受者としての市民に「変化」をもたらし、まちを健全化するのである。職員に活気がなく組織が機能不全に陥っていれば、市民に「変化」をもたらすようなサービス価値が生まれるはずもない。ましてやまちが健全化するはずもない。職員のモチベーションを高めるのは、観客の心が満たされた時の笑顔を見た時であり、来館者の居場所を見つけられたという安堵する姿を目撃する時であり、顧客との交流が何らかの達成感をもたらした時である。したがって、「働く人たちを生き生きとさせる」には、観客や来館者という「他者」が必要であり、そこを経由しないことには職員の仕事に対する意欲は高まらないし、決して「変化」しない。そのような組織が衰弱するのは必定である。