ごあいさつ
お客様の立場に立った劇場経営を。
可児市 文化創造センター館長兼劇場総監督 衛 紀生
このたび、桑谷館長のあとを継いで 可児市 文化創造センターの経営をすることになりました衛と申します。宜しくお願いいたします。
私の舞台芸術との関わりは、早稲田大学の自由舞台という学生劇団に始まります。高校までは野球少年でしたから、180度の方向転換です。ちなみに私はその母校の野球部の監督を6年前までやっていました。閑話休題。
役者、裏方、演出家を経て小さな劇団を立ち上げて六本木の自由劇場で何回か公演をしました。同時に、21歳のときに演劇評論家として出発しました。そして、40歳のときに東京に対峙できる地域劇場を構想して地域に出はじめて16の地域でのアドバイザーやプロデューサーをやり、あわせて45歳過ぎから早稲田大学、東京藝術大学、県立宮城大学・大学院研究科でアーツマネジメントやマーケティング、文化政策の教鞭をとり、「いまさら、まさか」という感じで還暦を迎えた齢に新しい職場としてアーラにやってきました。
私にとって、このアーラのマネジメントが生涯で最後の仕事だと思っています。いままで日本はもとより、欧米の地域劇場で学んできたことのすべてをアーラに注ぎ込むことが私に与えられた使命だと承知しています。
何よりも、それはお客様である市民の皆さんの立場にたった経営をしていくことです。「経営」という言葉はいまでは金儲けと同義のように使われていますが、本来「経営」は「新しい価値を生むこと」を意味します。お客様と一緒に手を携えて可児市ならではの「新しい価値」を創造することをまず第一の目的にします。もともと舞台芸術は、舞台と客席とのあいだに「新しい価値を生む」ことに他なりません。そのためのよりよい環境を整えるのが劇場経営の第一歩だと信じております。
市民にとって「集い、出会い、語り合い、知り合う」ために、つまり心休まるコミュニティづくりの拠点としてアーラがあれば理想だと思います。そのために今年から来年にかけて新しい試みをいろいろとやらせてもらいます。市民の皆様にとって、利用しやすい、こころやすい、心やすらぐ「場」を提供するのが、私たちアーラの職員の使命であることは言うまでもありません。
少しずつですが、着実に新しい衣をまとうアーラに注目していただければ幸甚です。そして、気軽に足を運んでいただければ、それがアーラの理想に近づく小さな、しかし確実に「夢」に向かうための第一歩だと確信しています。
どうぞ、宜しくお願いいたします。



