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衛紀生館長のおしゃべりシアター「町が元気になる処方箋」

衛紀生館長のおしゃべりシアター「町が元気になる処方箋」(1)

2008年5月18日に西川信廣氏・平田オリザ氏と館長による「衛紀生館長のおしゃべりシアター『町が元気になる処方箋』」がアーラで行われました。その模様をホームページに掲載致します。

前説:

本日はご来場頂きまして誠にありがとうございます。ゲストの方を簡単にご紹介させて頂きます。舞台の上手より、ストレートプレイからミュージカル、オペラなど幅広く演出を手掛け、文化庁芸術選奨新人賞、読売演劇大賞、紀伊國屋演劇賞など数々の演劇賞を受賞されております西川信廣さんです。(拍手)そして劇作家であり演出家また大阪大学コミュニケーションデザインセンター教授でもあります平田オリザさんです。(拍手)それでは館長お願いします。

衛館長:

これから1時間半ほどお付き合いお願い致します。「まちを元気にする処方箋」というタイトルで、アーラはなぜ必要か、文化施設はなぜ地域に必要かという話をしていきたいと思います。財政が非常に困難な状況になってくると、まず文化予算が削られます。大阪府などは福祉も教育も削減対象で、財政再建はできたけれども住民が幸せでなくなる、どうも本末転倒ではないか。目的と手段を履き違えることが起こっています。

それは文化も同じで無駄なものではなく実は、非常に幅広い便益を地域の人にもたらしている。それが5年、10年のスパンの中で豊かな生活、豊かというのは必ずしも経済的という意味ではなくて、心豊かな生活を担保していく。そういう意味では文化というのは、私の言葉でいえば「ラストリゾート」、最後の拠り所だというふうに思っています。ここアーラは、その「ラストリゾート」である文化のための施設であるわけです。

まず初めに平田さんのほうから地域劇場であるとか、美術館など公共文化施設が地域に対してどういうふうな利益をもたらすのか、あるいは幸せをもたらすのかという話を、ここにホワイトボードもありますから(笑)基調講演という位置づけでやって頂こうと思います。宜しくお願いします。

基調講演

平田氏:

平田です。宜しくお願いします。いま衛館長が仰られたように、僕はよく劇場を病院とか学校と同じような、なくてはならない施設にならなくてはいけないと思っています。なくてはならない施設というのはどういうことかと、もう少し分かり易く言うと、極端に言うと嫌いな人にも必要とされる施設にならなくてはいけない。学校嫌いな人たくさんいらっしゃいますよね。勉強嫌いだとか。でもうちの町に学校はいらないという人はあまりいない。病院嫌いな人もっとたくさんいます(笑)。注射嫌いだとか。でも病院がなくていいという人はいない。

来ない人、まあ来て頂くにこしたことはないですが、一度くらいは食わず嫌いでも来てほしいとは私たちは思いますけれども、来ない人、あるいは芝居なんか二度と見ないという人にでも、あの劇場はうちの町にはあったほうがいいなと思われるような施設になっていかなければならないと思います。しかし一方では、日本でそんな劇場に対する認識があるとは思えないというのももちろん分かっています。そんな絵空事を話すつもりもない。それで衛さんからもご注文がありますので、少しおしゃべりをしようと思います。


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