
Session1.地域公共ホールの未来を展望する。シンポジウム(9)
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NPOが指定管理者として入る可能性
衛:もう一度ファシリティーとインスティテュートがキーワードになりますが、どなたかご意見を述べられる方いらっしゃいますか?
会場:静岡県袋井市の「月見の里学遊館」の企画をしています戸館と申します。指定管理者制度のポジティブな側面に光を当てるような議論を期待しまして、お題を投げかけさせて頂きたいのです。たとえば、ミッションが非常に明確な市民を主体とした任意団体だとかNPOのような組織が指定管理者として入るという事例はごくごく少ないけどありますよねえ。そういう方への展望とか可能性みたいなものを何かお話して頂けないでしょうか?
小さな規模であればNPOが指定管理者をとってもらいたい
中川:僕もそれは賛成です。施設規模にもよりますが、施設があまり大きくなりすぎるとリスクも高くなるので、NPOさんだとか地域コミュニティー団体の手には余ると思います。名古屋でやっている各区ごとに作られている市民参加型でワークショップをしながらコンセプトを練り上げて作るような動きがありましたよねえ。そうした区毎の単位であれば、NPOが活躍するチャンスは充分あると思うんです。そういうところこそ、文化NPOは頑張ってもらいたいと思ってます。ホールだけではなく、地域の公民館は文化NPOがとっていった方がいいと思います。公民館で言えば公民館主事、図書館で言えば図書館司書、博物館で言えば学芸員、資格職がくっつかないと運営できない館ではあるけれど、現実には民間でもとれます。後からとれる仕組みもあるので、有資格者必置の施設でも勇気をもってチャレンジしていったらいいと思っています。小さい図書館は市民の読書クラブとか読書会連合会がNPOを作って運営しているところもあります。むしろ施設の市民化、あるいは社会化という点では悪い方向ではないと思っています。ただし、文化ホールの専門性の点では、中から大規模ホールになると、普通のNPOでは歯が立たないと思います。だから施設規模にもよります。
アメリカのNPOはノン・プロフィットな企業、日本のNPOは脆弱
衛:まったく、その通りだと思います。そういう文化ホールや劇場をアートNPOに任せると基本的には残酷なことになります。アメリカはNPOがやっているというけれど、ボランティア団体ではなくNPOという企業です。ノン・プロフィットという企業です。企業人が経営しています。日本のアートNPOは残念ながら企業化していない。本当に小さな施設を受託してやっていくなら可能ですが、大きな施設を運営してもらうのは残酷です。その人たちがつぶれてしまう。小さな町の小さな文化会館なら、何とか行政の方たちの助けを借りてやっていくことは可能かも知れません。愛知でも武豊町みたいなところがあります。でも行政の方たちの助けを借りないとできません。日本のNPOというのは脆弱だと思います。