効率性・経済性の追求だけでやってはいけない施設を区別することが必要
中川:大和さんがおっしゃったことは当たりで、私が3、4年も前から主張していることです。地方自治法上定めている公の施設というのは、非常に曖昧な概念で、十把一絡げになっていると思います。指定管理者制度を適用して効率性・経済性を追求するという目的でやってはいけない施設があるのだと、私は警告してきました。私は単純な定型サービス供給施設を“施設・ファシリティー”といい、人的・組織的機能込みでむしろそちらが主役で、施設はその組織が使いこなす為にくっつけますというのを“インスティテュート”と分類している。文化ホールとか博物館・図書館・公民館・国際交流センターとかは“インスティテュート”であるべきなのです。人的機能込みでないと成立しません。ところが駐車場、駐輪場、温水プール、テニスコートなどの類は“インスティテュート”ではありません。これを一緒に指定管理者制度の対象にしているのです。ここに大きな問題があるということがまず一つです。
他にも問題があるということを私は指摘してきました。法律的な問題になりますが、指定期間5年といいながら片一方で施設を設置して委託を発注する側の行政が、議会の議決を取って5年間の債務負担行為をほとんどがしていないということです。債務負担行為を義務付けていないということは、5年間の保証はしますといいながら毎年契約金額が変わっていくという弾力性を行政に認めてしまっているということです。特に財団などを指定団体にしている場合、「よくがんばって赤字を減らしてくれた。おかげでお宅(財団)に渡す委託料と補助金を減らすことが出来る。」と、どんどん契約金額が減っていく。頑張れば頑張るほど入ってくるお金が減るということになります。
それから民法上でいう双方代理、発注者側の市長と受注者側の団体の理事長とかが、同一人物であるということがよくあるが、公設型の財団を随意指定する場合は別に私は問題を生じないと実際思うが、これを民間企業と同等に競争させる場合においては、内部情報を財団側がいっぱい持っていることは丸見えではないか。その情報が入手できない一般企業も競争しなさいというのは、企業側から言えばアンフェアトレードです。こんなルールも整備されていない、お分かりになりますか。かつて、さいたま市で発注した社会福祉法人の理事長が、当時の議会議長で、それが特別養護老人ホームの指定管理者を受けたということで新聞種になって、ずいぶんと世情を賑わせました。その関係で、首都圏の都道府県市町村のかなりが、この双方代理に当たるようなことはやめると、条例を自主立法して自己規制をかけたはずです。しかし、このようなことは実際条例でやることではありません。自治法そのものの欠陥だと、地域創造の研究会で私は言っています。気づいたらその隣で座っていたのは自治省の自治行政局行政課長の幸田さんでした。私はそのことを意識せずしゃべっていたが幸田さんが「おっしゃる通りです。それは何とか次の時点で手を打つべきと私も思います。」と、おっしゃったことを記憶しています。




