
Session1.地域公共ホールの未来を展望する。シンポジウム(3)
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指定管理者制度に苦しんでいる原因は公民館の堕落
中川:アーラのように能動的にソーシャル・マーケティングを行うホールが増えていくことを心から願っています。多くの文化施設が指定管理者制度に苦しんでいる原因に、公民館の堕落があると考えています。わが国の公民館は生涯学習の拠点施設ですが、昭和20年代、30年代とはまったく異なる姿になっています。時間があり、小金のある仲良し登録グループの独占する場で、小型カルチャーセンターになっています。私は社会的貢献度に合わせて登録資格を洗い直すべきだと考えてるんですね。ある市では、利用料が無料のところを、高熱水費を利用者負担にするだけで大論議となりました。そのときに公益性を持っている団体を無料としようという議論をしましたが、どのような団体だって一定程度の公益性はありますよね。そのため、すべての団体を一律負担としました。公民館がミニ・カルチャーセンターになっているのが、文化ホールの足をひっぱっているんです。
公民館こそ地域の問題に手を差し伸べるべき
公民館こそ、不登校、非就労・非就学の青少年、引きこもり、母子家庭・父子家庭など、社会的なマイノリティーを持っている人に対してこそ、もっと手を差し伸べるべきだと考えています。もっとそういう人のところにソーシャル・ワーカーとして出て行くべきであろうと。地域の問題にまったくソーシャル・ワーカーとして出て行かず、貸し館に変わってしまっています。公民館でさえ携わらないのに、どうして文化ホールが出てくるのかといわれてしまいかねない状況です。公民館で無理なこと、専門的で、スケールの大きいことを、文化ホールが開拓して行くべきで、スケールが小さいことは公民館に返して行くという役割分担をすべきだと思いますね。図書館もただの貸し本屋になってしまっている。公民館は貸し館、図書館は貸本と生涯学習のレベルが低い中、文化ホールが深く社会にかかわっていくことへのコンセンサスができにくいのですね。
英国の公民館=地域の問題に寄り添う場
衛:社会からドロップアウトした若者たちで映画を作る、麻薬に手を出した子どもたちで芝居を作るというのを、英国ではコミュニティアーツセンターでしている。地域のホールは、特に基礎自治体のホールは、住民に寄り添うという姿勢がすごく大事である。問題を抱えている人はたくさんいる。社会教育法の第3条では、公民館はもともと啓蒙施設になっており、どうしてミニ・カルチャーセンターになってしまったのか理解に苦しみます。