2009年2月6日(金)・7日(土)に愛知芸術文化センターで行われた「世界劇場会議 国際フォーラム2009 地域の文化環境、再生へ向けて。」の模様を掲載します。
世界劇場会議は、地域における舞台芸術の創造と社会基盤造りをめぐる諸問題を世界的規模において議論する場として始まり、 「芸術家」「制作者」「劇場技術者」「コンサル・シンクタンク」「行政」「企業」「研究者」など、劇場にかかわる幅広い人々が一同に会し、劇場という総合体について語り合う場です。
住民との対話でできた21世紀型のホール
西川:横浜の青少年会館の改修の際に、演劇側では規模を小さく、踊りでは800席以上がほしいという要求があり、どこまでいっても平行線でした。結局、現状維持になり、やはり席数がちょっと大きすぎると思う。
中川:住民が欲求しているパフォーミングは、何かパフォームしたい程度で、多目的ホールができた。多目的ホールでは大きすぎる、音響の機能が不十分であるとの指摘を受けて、音楽専用ホール、演劇専用ホールができた。しかし、今度は贅沢だという議論になった。住民の要求も行きつ戻りつと言う状況です。
大和:子ども劇場・鑑賞会は民間の組織で会員制です。そのため、1000席でなければ採算が合わないなど、経済性の観点がニーズに含まれています。
西川:隣の市の施設よりも大きくということから、ホールの規模が決まったと聞いたこともあります。
衛:中国・四国地方では、地方の中で席数が1番という争いがずっと続いました。広くしすぎたせいで、3階席に行くとシャンデリアが邪魔で、舞台が見えないという問題が起きたホールもありました。競えるぐらいお金があったというか、中央が元利とも地方交付税交付金で手当てをしてくれる地方総合整備事業債で借金が簡単にできた時代でもありました。
中川:そこでは、まちのアイデンティティが意識されていた。気になるのは、すべて長のトップダウンでやられてきたということです。首長が変わると、前任者がしたことを否定したがるので、こういう犠牲に文化施設がなって行くのです。
文化条例の整備が必須
もっと市民がかかわって、下から練り上げて構想を作るなど、プロセスを踏まえたホールは結構強いと思う。アーラもそうだし、小出郷文化会館のように、住民との対話でできてきたのを21世紀型のホールと私は呼んでいます。そういう風に変身していかなければならない。首長の交替に影響されないように、自治立法として文化条例が必要と私は考えています。文化芸術振興基本法はあるが、自治体における文化政策はほとんど自治事務です。文化条例がない場合、文化予算を惰性的に単年度予算で議会に承認されているにすぎない。このため、首長がかわると文化政策がころっと変わってしまう。
私も20ぐらいの文化振興計画の策定にかかわってきましたが、苦労して策定した計画が3分の1は首長の交替により、計画が否定されてしまっている。文化ホールも同じような宿命を持っていて、せっかく、いい仕事を文化ホールで職員がしていても、首長の交替により、職員が人事異動になったり、事業予算が削減されたりするのです。大阪府は文化条例がありますが、持っていてもこういうことが起きてしまった。残念ながら条例が甘いのです。知事は大きな文化政策の変更を行う際に、文化振興会議に意見を聞かなければならないと条例上なっていますが、文化振興会議が開かれなかった。議会でも問題視されましたが、重大な違反がないということに落ち着いてしまった。結局歯止めにはなりませんでしたが、条例があれば、このようにスリリングな状況になります。
衛:可児も根拠条例がほしい。今、アーラが向かっている方向を担保する条例がほしいのですが、なかなか動いていない。




