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衛紀生館長のおしゃべりシアター「町が元気になる処方箋」

衛紀生館長のおしゃべりシアター「町が元気になる処方箋」(5)

生活が苦しくて荒んでいる人にこそ文化が必要

西川氏:

さきほどのグラスゴーで社会的弱者は50ペンスにディスカウントする、日本で言えば100円くらいですよね。そのときに行政だとかが補助金を出すわけでしょ、その分だけ。その時に市民の中に、自分で金を払えない人に、何でそんな税金を使って安く観せるんだって言う人がいた。で、芸術監督が、いや芸術こそ社会的弱者や経済的弱者に必要だと言ったんだよね。

つまり、いつも生活が苦しくて荒んでいるから、そういう人こそ劇場に来てもらって、文化に触れてもらうことが必要なんだと。だからそれは行政の義務であり、補助金を出すのは当然だと。そのかわり内側にいるアーティストに高いギャラは払わない。有名だから高く、無名だから安いんじゃなくて、君たち同じギャランティで協力してくれと。その辺の考え方かな。つい僕らでも、かつては文化に関与するのはお金は持っていて、時間はあるから、じゃあ劇場でも行くかなとか考えていたけど、でもこういう時代になるともう逆の考え方が必要だよね。

一本杭を打つ、そうするとそこが広場になる

衛館長:

だからさっき僕がちょっと言った、ギラギラと焼け付くような油照りの日の大きな樹の木陰が「劇場」であってほしい。そこにはやっぱり熱いから国の違う人だって、障害を持っている人だって、金持ちだって、貧乏人だって皆やって来て涼む。涼めば当然話が弾む。やっぱり一本の樹を立てようと。

「美しきものの伝説」というお芝居があるんですが、広場に一本杭を打つ、そうするとそこが広場になる、という終幕の台詞があるんですよね。宮本研さんのつくった戯曲に、そういうラストの台詞があるんです。その「一本の杭」、あるいは「一本の樹」がやっぱり劇場だったり、美術館だったりするんじゃないかなと思う。一応、今回の話のまとめはそんなところで良いですか(笑)。

そういうことで今日はこのへんで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)


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