可児市文化創造センター(Kani public arts center ala)

音声読み上げ等による利用への配慮として、ナビゲーションを飛ばして本文に進みます

館長の部屋


HOME > 館長の部屋 > 連載 > 衛紀生館長のおしゃべりシアター「町が元気になる処方箋」:衛紀生館長のおしゃべりシアター「町が元気になる処方箋」(3)

[ここから本文]

衛紀生館長のおしゃべりシアター「町が元気になる処方箋」

衛紀生館長のおしゃべりシアター「町が元気になる処方箋」(3)

2008年5月18日に西川信廣氏・平田オリザ氏と館長による「衛紀生館長のおしゃべりシアター『町が元気になる処方箋』」がアーラで行われました。その模様をホームページに掲載致します。

図書館代わり、喫茶店代わりに気軽に来れる場所

前回の続き)

西川氏:

もうひとつの例でいくと、イギリスの劇場はドアひとつ向こうで芝居をやっている、フランスもそうかもしれませんが。日本はロビーがあって劇場の入り口から遠いところに囲っちゃうよね。ロンドンとかもそうだけど、ロビーでちょっとしたコンサートやっていたり、僕なんかも芝居を観ないときは劇場まで行って紅茶を買ってロビーで寝ていたり(笑)、図書館代わりとか、休む、喫茶店代わりにしたりして、そういうふうにロビーが開いている。

日本だとチケットを切るために客の足を止めて、ロビーを閉めたりしていて。ロンドンなんか扉のところにみんな立っていてチケット切るのは三つくらいで、他の扉は閉めているんだよね。だから、ロビーでいろいろなことが出来るし、人たちがいろいろなかたちで交流できるんだよね。

衛館長:

ドア・チケット制度って言うんですよね。欧米では扉のところ、ドアの入り口のところでチケット切って、他のスペースは自由に使っている。本読んでいようが、何をしていようが自由という仕組みなんですね。

西川氏:

例えば細かいことだけれども、僕は劇場の人間じゃないから劇場側に回って考えれば、ちょっとした、そういう市民に入り易いというか、別にお芝居を観るっていうとか、音楽聴くというか、それ以外にも、ちょっと時間があるから、ちょっと暑いから、寒いからロビー行こうかなというようなシステムというかやり方をすれば、たくさん人は集まってくれて、気が向いたらそこにコミュニケーションが生まれて、ちょっと芝居を観てみようとか誘い合って、一種のワークショップになったり、マーケティングになったりだとかなる。アーラは他の地域劇場に比べて相当ロビーに人が多いですよね。

衛館長:圧倒的に多い。

西川氏:だから希望持ってください。

衛館長:希望持ってください。(笑)

市民とアーチストに交流が生まれてアートの壁が低くなる

西川氏:

だから、劇場はもっとロビー政策を大事にして、市民を支えられるネットワークづくりをすべきだと思う。これがないと劇場は市民に支えられないと思う。今ちょっと思い出したんだけど、ブリストルでね、僕は車で一時間くらいのところから通ってたんだけれども、芝居の稽古に着くことになって通うのがとても辛くなったんだよね。稽古が佳境に入っていて、それで市内に三週間くらい滞在しようと思って。でもお金がなくて、だから事務所に相談に行ったんですよ。そしたらですね、アーチスト用に高級ホテルも割引になっているんだけれども、市民が自分の家貸しますよ、っていうのがあるんだよね。

それで僕は一番安い部屋をお借りしたんだけれども(笑)、間貸ししてくれるんですよ。ご飯は自分で勝手に作るんですけれども。それはね、全部登録してるんです、市民が劇場に。うち部屋空いているからいつでも部屋貸しますよ、アーチストにって。それもランクが色々あって、まるごと一軒持っているから家を貸すというのから、部屋シェアしてもいいよっていうのまで、部屋貸しがいっぱいあるんです。

これも全部劇場が組織していて、市民に頼んでそういうふうにリストアップしている。僕は地域に行って滞在するときにはひとりでウィークリーマンションに住んでいるんです。あんまりホテル泊まらないんですけど。そういう風に市民に協力してもらって提供してもらうと、また市民とアーチストと具体的に交流が生まれてアートの壁が低くなるかなと。

欧米で出来ることが、可児でも出来ないはずがない

衛館長:

今年度は多くのアーチストがこの可児に滞在するんですけれども、僕は人間的に付き合ってほしいんですよね、市民とアーチストが。だからね、たまたまクラシックやる人、たまたま職業として演劇をやっている人、でも私はお米作っている、やっていることは違うけど、結局は同じ人間じゃないかというくらいの関係になってほしい。あの人が弾くんだからちょっと聴きに行こう、あの人が出演するからちょっと観に行ってみようという風に、今まで一度も行かなかったクラシックコンサートや演劇公演に行ってみようというきっかけになってほしい。あるいは近隣の人たちを誘っていらっしゃるだとか。そういうことがやっぱり起きてほしい。

それが先ほど大げさに言った「文化首都」としての姿だろうと僕は思うんです。特別なことじゃない。劇場に出かけるというのは別に特別なことじゃない。いろいろな出会いのある場所が、やっぱりアーラであり、可児市でありたい。可児市民の中心に劇場があって、そのなかで普通は出会わない人たちが出会って行っていくという。つまり、普通に経済活動している間は出会わないけれども、劇場という場所が媒介となることによっていろいろな出会いが起きて、いろいろなコミュニケーションが発生して、アートの敷居が低くなっていって、様々な人たちのあいだに人間らしい付き合いが起きていく。そういうのを可児でもやりたいんですよ。欧米で出来ることが日本でも、可児でも出来ないはずはないと思っている。たとえば、うちに部屋あまっているとか(笑)そういう方がいらしたら申し出てください(笑)。


Information


公益財団法人可児市文化芸術振興財団
〒509-0203 岐阜県可児市下恵土3433-139
TEL.0574-60-3311 FAX.0574-60-3312
Copyright (C) 2011 Kani City Arts Foundation. All Rights Reserved.

ロゴマーク