連載 館長 vs 局長	「公共劇場」へ舵を切る その理念と経営の実際

第四十五回 よろしくお願いします

可児市文化創造センターala 事務局長 山本和美

4月の定期人事異動で教育委員会事務局教育総務課から異動してきました山本といいます。よろしくお願いします。3月26日に異動の内示表を見て、ある意味“絶句”という感じを持ちました。入庁以来これまでどちらかというと総務関係の部署に配属されることが多かったので、私のような文化芸術(定義もままならないですが。)というものに縁のない者が・・・という感じでした。こうした分野の業務にほとんど携わったことがない自分が、前任者を引き継いでこうした文書を書いていることにまだ現実感を得られない状況ですが、今回は、これまでの私とアーラの関わりについてお話します。

 

教育委員会といえば文化に関する業務も当然所管していると考える人も多いと思いますが、平成24年度から組織機構の改革で文化に関す業務は所管外になっています。教育委員会制度は現政権で大きく変更されようとしていますが、今回の制度改革の前段として平成19年公布の「地方教育行政の運営と管理に関する法律の一部改正法」で、「条例の定めるところにより市町村長は文化に関することとスポーツに関することを管理・執行できる」としていました。可児市も平成24年度からこの条例を制定しています。私が所属していた教育総務課は、教育委員会会議の運営など総務的な分野と小中学校施設の維持管理を主な業務としていました。そんなわけで、文化芸術ということばを身近に感じるという立場にはいませんでした。

 教育委員会事務局の前は、4年間議会事務局にいました。ここでも、深くかかわりをもって仕事をするということはありませんでしたが、議会の仕事で、いちユーザーとして小ホールを借りて講演会を開催したことがありました。ユーザー側の責任者ということで担当者とともに事前にアーラのスタッフと使用当日の流れを確認し、当日は、開場前に舞台担当と講演会の横看板の照明の反射具合や舞台背景の照明、舞台上の演台や黒板の位置決め等を行いました。細かいとこまでチェックするんだなという印象を持った記憶があります。本番中は技術的なことはすべておまかせで無事講演会を終了させることができました。

 議会では、また別の面での記憶があります。可児市文化創造センターの運営管理は、指定管理者制度の下に行われています。今回私が異動してきた公益財団法人可児市文化芸術振興財団が指定管理者として運営管理を行っています。この財団は、市が100%出資して作った財団です。地方自治法の規定によって、こうした法人について市長は、毎事業年度の事業計画及び決算に関する書類を作成し、これを次の議会に提出しなければならないことになっています。そのため、毎年6月の定例市議会で開催される所管常任委員会(当時は文教福祉委員会)で、最初の頃は市の担当部署の課長がその内容を説明していました。後半の2年間は、参考人という形で当財団の事務局長が説明に来ていました。

 そこでの説明に対する議員の質問は、指定管理にかかる基本協定書の内容が遵守されているか。個々の各事業実施において赤字覚悟は文化の発信ということで理解はするが、それでも収入と支出の収支バランスが悪すぎないか。5億円近い(当時)指定管理料が、今後予想される経済状況の中で維持できるか、やはり額が大きすぎないか。可児市の身の丈にあった金額なのか疑問がある等々さまざまな内容がありました。私は、議会事務局職員という立場で傍聴していました。議員がする質問について、たしかにそうだなと頷いたり、当時の篭橋事務局長の答弁に対して「なるほど」と思ったりしいていました。こうしたやり取りの中で、最初の頃は、議論が深まってくると議員の口調も結構厳しいものがありました。(あくまでも私の感じ方ですが)しかし、アーラも毎年実績を積み重ねて成果もどんどんと上がってきたこともあって、年を重ねるごとに質問はあらゆる角度から出されることに変わりありませんが、口調の厳しさは徐々に和らいだ感じを受けておりました。(これも私の感じ方です。)

 

議員も、文化芸術の発信という性格上、全ての事業を黒字にということは不可能であることや着実に実績が上がっていることも十分理解されています。しかし、毎年の指定管理料のトータル額が大きいので、いくつかの出資団体の中でも最も注目すべきものにせざるを得ないという感じではないでしょうか。今後、財団の活動について理解をいただくには、アーラの成長と成熟が持続していかなければいけないのかなという印象を持っておりました。こんなかかわりはありましたが、これからはこの委員会説明をする担当者という立場になったということになります。どういうことになるかまだ見当もつきませんが、これからは、財団のために最大限の努力をしていきたいと思っております。

 

アーラに勤務し始めて10日余りです。私の場合、何が大きく変わったかといいますと、やはり勤務形態です。基本的に土日の休みがそれ以外に変わるということです。市役所にも図書館や郷土歴史館など土日勤務の部署はいくつかありますが、就職して以来、土日勤務のある部署に配属になったことが無かったのでどういった影響があるのかまだ実感できていません。ただ、先日、通常勤務として日曜出勤して感じたのは、街がとても静かだということです。あたり前のことですが、通勤する人、通学する子どもたちがいません。そして自動車の数が極端に少ないです。これまでも、日曜日に出勤することはありましたが、あくまでも特別・例外でした。これからはこれが日常かと思うと何か新鮮な感じがしました。これからまずアーラや財団の細部について知識を仕入れていきたいと思います。館長は、アーラの経営計画はいまも進捗し続けているといっておられます。少しでも早く経営計画の進捗に寄与できるよう頑張っていきたいと思います。


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